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村上龍の13歳のハローワークを読んだ感想

 

 

 

 

 

 

前々から読みたいと思っていたけどなかなか手が付けられなくて、

たまたま時間があいてやっと読むことができた、村上龍の13歳のハローワーク。 

これは別に13歳だけをターゲットにしているわけじゃなく、大人も読むことができます。

たいへん面白い本だったので、ぜひみなさまも読んでほしい。

どの辺が面白かったかというとそりゃあ全部というしかないのですが、

もっとも心に残った部分を紹介させていただくと、村上龍の、正社員についての考え方です。

それについて少しご紹介させていただきます。

 

今の日本では、良い学校に入って、良い会社に正社員として入社し、定年まで勤め上げるのが美徳とされています。

かくいう私の実家もそうで、フリーターは絶対にだめ、正社員になれ!ということを常々言われていました。

それに対する反発心があったから、今は起業して自由にやらせてもらっている。

そういう意味では、実家には感謝しています(笑)

少し脱線しましたが、村上龍はそういう美徳を批判しています。

 

正社員が良いか、フリーターが良いかという議論は意味がない。大事なことは、やりたい仕事を見つけられ 

 

そもそも今の日本で、一生安泰という仕事などありません。

特殊法人の社員でもない限り、楽な仕事などどこにもない。

正社員という言葉も、近い将来死語になるのではないでしょうか?

だからといってだらだらアルバイトを続けて良いのかというと、そうではないと思います。

要は、自分の将来の戦略とそのアルバイトの仕事が、どれだけマッチングしているかどうか。

ワタミの社長さんなどは、佐川急便でアルバイトをして、起業資金を作ったそうです。

食中毒をだして破産した某焼き肉チェーン店の社長さんもそうでした。

今の成熟した日本社会で、画一的に大学→会社→定年というレールしか信奉できない輩は、まさに北朝鮮レベルの全体主義者といえましょう。

全く想像力を欠いている、といわざるを得ない。

一時期、派遣村なんてのが都内にできましたよね。

派遣社員というシステムを声高に批判されていましたが、しかし、派遣という働き方は需要と供給が一致した完全に合理的な、というか、必然そのものであります。

違法でもなんでもないし、時代の要請によって、望まれて生れ出たものです。

それを批判することに何の意味もない。

むしろ問題なのは、自分の人生を時給800円で安く切り売りして、そのことに何の焦りも感じない、その人間の生き方なのであります。 
とまぁ長々と感想を述べさせていただきましたが、村上龍の13歳のハローワーク、特に子供をお持ちの親御さんに読んで欲しいですね。

小説ではありませんし平易な文章なので、スラスラ読めると思いますよ

いかがでしょうか??